パッションフルーツ栽培格闘記
岡田 康(二期生)
1.パッションフルーツとの出会い
北海道生まれの私は何となく南国のものにひかれ、今から6前に袖ケ浦市内の農産物直売所で「トロピカルな果物」の歌い文句「パッションフルーツ」に目が止まりました。(右の写真参照)。
またグリーカーテンにも最適からパッションフルーツの栽培に無手勝流で取り掛かりました。パンフレットや店頭で「さわやかで濃厚な香りが特徴のパッションフルーツ」との名前から「パッション=情熱」フルーツと思います。
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ところが「パッション」は「受難」というおぞましい名前で、花の中心にある3本の雌しべが時間とともに倒れる花の形から「イエスキリストが十字架にかけられた姿」に似ており(写真の上の段参照)、その受難から「パッション」と名付けられました。
日本では花が十字架というよりも「時計」に見えたので、従来の「トケイソウ」と区別し、「クダモノトケイソウ」と呼ばれており、この名前のほうが可愛らしいと思います。
2.パッションフルーツの栽培は難しい
(1)パッションフルーツの実には人工授粉が必要
農産物直売所のたわわに実ったパッションフルーツの見本のようになるものと期待し、購入したパッションフルーツの苗木を家の南側の窓辺に植えて、グリーンカーテンになるのを期待していました。それなりの蔓が伸び、その木に花が咲いたのは夏の7月初めの頃でした。とてもきれいな花が咲いたと喜んでいました(写真上段左)。ところがその花は翌日には萎んでしまい、数日後にはその花がすぐに落花してしまい、その後に咲いた花も自然のままでは結実しませんでした。
パッションフルーツの花の結実にはクマバチの存在が必要とあり、ハチ類は周りで見かけていませんでした。この結実には人工授粉が必要だとアドバイスなどでわかりました。
(2)パッションフルーツの越冬には挿し木が必要
パッションフルーツは千葉県では越冬できないと知らされました。グリーカーテンになるその原木の高さは4mでとても保管する場所は確保できません。何か良い方法はないのかと、ネットで調べてみました。葉を残して挿し木に成功すると越冬できる苗木が得られることが分かりました。恐る恐る挿し木にすると何とか10本程度が根付きましたので、温かい二階の出窓で保存することで越冬させて翌年の苗を確保できました。
(3)人工授粉しても結実しないパッションフルーツもあります
パッションフルーツには別の木があった方が良いとの情報を得て、別の種類のパッションフルーツを購入して植えましたが、これは最初の年には全く花が咲かずに、原木のままで背丈を低くして、他に挿し木した苗木と秋から自宅の二階の出窓において、加湿器で乾燥させないように育てました。するととても艶やかな花が真冬の二月ころに花が咲き始めました(写真上段右参照)。人工授粉のために綿棒で、何度も念入りに受粉させましたが、一個も結実しませんでした。
(4)パッションフルーツの完熟は落果後に表面がしわが出るまで待つ
私が栽培しているものは結実すると、赤紫の卵大の実がなり、自然に落果いたします。この時はまだ完熟が進んでいないので、二週間くらい保管しておくと、表面の皮にしわが出てくるのでこのころが食べ頃で、妻は美味しいと喜んでいました(写真下段参照)。
3.まとめ
私の無手勝流の栽培で得られた知見を「パッションフルーツ栽培格闘記」としました。
私のパッションフルーツの栽培はまだまだ分からないことだらけで、この6年間で満足な結果を得ていません。ただ挿し木による苗つくりは成功しています。千葉県での栽培はそれなりに進んではいますが、「パッションフルーツ」は珍しいようで、挿し木の苗は何人かの知人には押し売りのように分けています(北海道の実家でも結実しました)。 |